子供が生まれてからずっと、どうすれば良いお母さんになれるのかということが、私の頭の中の大部分を占めていた。子供が小さいうちは、当たり前のことかもしれないが、子供中心の生活をしてきた。自分のための時間や、自分のために使うお金がごく僅かでもなんとも思わなかったので、おしゃれとは無縁だった。外遊びをや家事で汚れても大丈夫なように地味な色合いの動きやすい服を着て、子供のために精一杯をやってあげたいと願いながら、ずっと暮らしてきた。

その生活が何年も続いて、子供は高校生に。そして、私自身は40台半ばになっていた。
自分のことを後回しにばかりして、ろくに鏡もみてこなかったし、私自身のための楽しみやおしゃれなファッションからすっかり遠ざかってしまったいた。「おばさん」という言葉がしっくりくるようなおばさんになってしまったのである。「おばさん」になったこと自体は、一生懸命に良いお母さんであろうとしたことからきているのだから後悔はないのだった。

ところがある日、大学時代の友達と10年ぶりに再会したことで、今までの考えがガラリと変わった。
その日の私のファッションは、黒いセーターにグレーのスカート。黒いバッグに黒い靴。薄化粧に、ネイルはなし。今すぐにでも学校の授業参観に行けそうな、地味な装いである。友達はといえば、その日訪れることになっていた美術展のテーマに合うようにと、栗色に染めた髪色にマッチするブラウンのベレー帽をかぶり、同じブラウン系統のふわふわとした素材のワンピース。足にはブーティー。手元のおしゃれもぬかりなく、綺麗なネイルがほどこされていた。彼女の全身から伝わる「おしゃれって楽しい!」という雰囲気を感じて、私まで楽しい気持ちになってきたのです。まずは自分が楽しむことで周りも笑顔になれるということを、彼女から教えてもらったのでした。千葉の霊能者にも相談し、それはいいねと言われ自信がつきました。


それから彼女とラインを交換して日々やりとりをするうちに、好きなファッションを堂々と楽しんだり、ヘアスタイルを変えたり、指先にはもちろんネイルもして、、、お母さんとしての自分しかなくなってしまった私から、もっと自分自身を楽しめる自分へと、少しずつ変わっていくことができた。
彼女との再会をきっかけに、自分自身を楽しみ、おしゃれを楽しみ、人生を謳歌すること、そして良いお母さんであることが、私の目標になった。まずは自分が楽しむと、周りをハッピーにできるのである。